狂犬病は、発病するとほぼ100%死亡し、治療法がない恐ろしい感染症です。
日本では、野犬対策などの徹底により1957年以後患者の発生はありませんでしたが、2006年8月にフィリピンで犬に咬まれ、日本に帰国後11月に狂犬病を発病し、死亡した例が2件報告されています。世界では狂犬病により年間4万人~6万人が死亡しており、欧米を含む世界の大陸に現在も存在し猛威を振るっています。
狂犬病の最も大きな感染原因は犬で、犬以外の動物では、アメリカではアライグマやスカンク、コウモリが、ヨーロッパではキツネ、アフリカではジャッカル、マングースが感染源として有名です(猫や馬、牛なども感染し、感染源になることがあります)。
尚、日本では前述したように、1957年以後患者の発生はありませんが、近年、外国船からの犬の不法上陸が絶えないことから、予断を許さない状況にあります。
狂犬病ウイルスは、感染動物に咬まれ、その動物の唾液中に排出されるウイルスが傷口から体内に侵入することにより伝播されます。体内に侵入したウイルスは、抹消神経を介して中枢神経組織に達し、そこで大量に増えてさらに各神経組織へ伝わり、唾液腺で増殖します。
犬は、狂犬病に感染すると1~2週間で発病します。狂犬病の犬はむやみに歩き回り、柱等の物体に咬み付いたり(この時期の犬は攻撃的で、わずかな刺激で咬み付きます)、地面を無意味に掘る、狼のような特徴的な遠吠えをする等の異常行動をとります。
また、流れるようにヨダレを流すようになり(唾液の分泌の増加)、水を飲むと、のどがけいれんし苦しむため、水を極端に怖れるようになります。
やがて、足腰が立たなくなり、虚ろに宙をながめるようになり死亡します。
人の場合、潜伏期間は9日~数年で通常は20~60日程度です。
症状は、発熱、頭痛、全身倦怠、嘔吐等の不定症状で始まり、咬まれた部位の異常感覚があり、ついで、筋肉の緊張、幻覚、けいれん、嚥下困難等が起きます。液体を飲むとのどがけいれんを起こし、非常に苦しいため水を怖れるようになります。やがて、犬の遠吠えのような唸り声を上げ、大量のヨダレを流し、昏睡、呼吸麻痺が起き死亡します。
日本では、狂犬病が撲滅されて久しく、その危険を軽視しがちです。
日本人は犬や猫を見ると無防備に手を出し、なでたり、手から直接エサを与えたりします。しかし、狂犬病はほぼ世界中で見られ、毎年死亡者が出ておりますので、むやみに野犬や野良猫、野生動物に手を出さないようにしましょう。
旅行先で動物に積極的に近づく場合は、事前に狂犬病ワクチンを接種しましょう。
4週間間隔で2回、6ヵ月後に1回接種します。
[操医院] 岐阜市長住町4丁目(058-264-0330)
狂犬病ワクチンの状態:常備
[操健康クリニック] 岐阜市薮田南1丁目4-20(058-274-0330)
狂犬病ワクチンの状態:常備
[矢嶋小児科小児循環器クリニック] 岐阜市日野南7-10(058-240-5666)
狂犬病ワクチンの状態:取寄
予防接種相談可・同時接種相談可
[郡上市民病院] 郡上市八幡町島谷1261(0575-67-1611)
狂犬病ワクチンの状態:取寄
予防接種相談可・同時接種相談可
[国民健康保険坂下病院] 中津川市坂下722-1(0573-75-3118)
狂犬病ワクチンの状態:取寄
予防接種相談可・同時接種相談可
[総合病院中津川市民病院] 中津川市駒場1522-1(0573-66-1251)
狂犬病ワクチンの状態:取寄
予防接種相談可・同時接種相談可
※詳細については、各病院にお問い合わせください。
狂犬病のおそれのある動物に咬まれたら、すぐに傷口を石けんと水でよく洗い、できるだけ早く病院で傷口に治療と、狂犬病ワクチンと抗狂犬病ガンマグロブリンを投与します(発病前であれば効果があると考えられていますので、忘れずに接種してください。事前に予防接種していなければ合計6回、していれば2回接種します)。
また、咬んだ動物が飼犬の場合は、犬が予防接種を受けているかを飼主に問い合わせることも必要です。
揖斐川町住民福祉部住民生活課
電話: 0585-22-2786
ファックス: 0585-22-4496
電話番号のかけ間違いにご注意ください!