谷汲小学校は、平成19年4月、「長瀬小学校」との統合により新しい地で新たな「谷汲小学校」としてスタートしました。
谷汲は、豊かな自然に囲まれた農山村に位置し、名刹「谷汲山華厳寺」「両界山横蔵寺」など歴史的文化遺産に恵まれ、重要無形文化財「谷汲踊」があります。
「谷汲踊」は、約800年前、源平合戦「壇ノ浦の戦い」の勝利を祝った武者踊りから始まったと伝えられています。
昭和27年には、谷汲踊保存会の発足により現在の形として復活し、県の重要無形文化財に指定されました。
本校の児童は、16年ほど前から「谷汲踊」を学んできました。
今は、6年生の総合的な学習の時間の中で「地域の歴史学習」「谷汲踊の伝承」をテーマに、谷汲の歴史について課題を設定して調査活動をしたり、谷汲踊の由来を学んだり、踊り方を覚えたりしています。
そして、その成果を「運動会」や「谷汲もみじまつり」等の場で披露しています。
児童は、地域の保存会の方たちのご指導を受けて、練習に励んでいます。
子ども用の「シナイ=鳳凰の羽をかたどった物」と「太鼓」を合わせると、その重さは10キログラムほどになります。
また、「シナイ」の縦の長さは3メートルにもなります。
練習での児童は、「シナイ」を思うように扱えなかったり、太鼓や鉦の音が合わなかったり、時には暑さに負けて弱音を吐きそうになったりしながらも、保存会で活躍されている方の丁寧で熱意あふれるご指導を受けて真剣に取り組んでいます。
このようにして、歴史ある「伝統芸能」を、地域の若者が体で感じながら伝えていく活動は、伝統を守ろうとする心や自己を表現する楽しさ、豊かで貴重な伝統をもつ郷土を大切にする喜びを味わうことにつながる非常に価値ある学習です。
この学習を通して、新しい学校になっても今まで培ってきた郷土を愛し誇りに思う気持ちは、いつまでも児童の心に残ることでしょう。
平成19年度には、「東海北陸ブロックPTA研究大会 岐阜大会 in 西濃」のオープニングアトラクションとして子どもたちの「谷汲踊」を披露し、会を盛り上げました。