平成29年9月7日に行われた、本定例会の一般質問および答弁の要旨は次のとおりです。
著しく人口が減少する反面、人の行動範囲は車両により広がり、道路整備が求められる社会情勢となっています。
揖斐川町も、この社会の要請に応じ工事が進められている冠山トンネル道路をはじめ、山間部ではダム関連の改良、国道303号の八草トンネルの開通で、北陸と通年往来が可能となりました。また、市街地では、広域農道、脛永橋、岡島橋のほか三輪の交差点も改良され道路整備が進められてきました。
揖斐郡三町で「揖斐都市計画」が策定されており、三町間を結ぶ「揖斐都市計画道路」が平成15年9月に決定され、利用開始が迫っている東海環状の大野神戸インターへのアクセス道路となる3・4・3号大野揖斐川線の整備をと強く願ってきており、一昨年より揖斐地区の七間町と長良付近、大野地区の黒野付近の3か所で工事が始められ、その進捗を見守っています。更に大野揖斐川線の西の終点付近には商業地があり、一段と交通量が増え、一日も早い全線開通を願うものです。
横山ダム付近の国道303号の改良では、(仮称)鉄嶺トンネルが着工され、着手に向けご努力頂いた皆さんに心から感謝申し上げ、地域間の交通安全が確保できることを喜んでいます。
住民の皆さんの関心が高い道路整備について次のことをお尋ねします。
(1)揖斐都市計画道路、大野揖斐川線について、周辺地域の防災と揖斐厚生病院へのアクセス対処などから、七間町の工事地点から国道417号栄町までの着手の見通しはいつ頃になりますか。
終点の七ヶ井付近は、現行、町道32号線ですが、近年、国道303号のバイパスとして、また工場や大型商業地の出入りの車両で、交通量が倍増しています。この町道32号線は、大和小学校南から、町道25号線との交差点までは幅員が狭く、線形不良箇所となっており、大型店舗への出入が急増している三千坊橋付近で、事故が増えています。この地点の着手時期は、何時頃になりますか。着手時期によっては、町道改良として先行整備をされるよう要請します。
(2)北方地内、城山の中腹を通る国道303号は、山肌が急峻で必要な幅員が確保できず、2か所で桟橋を架けて補われています。この地点の道路は、濃尾地震以降に整備され、雨量・震度によっては、道路が崩落する恐れがあります。もし、通行不能となったとき、復旧には相当の歳月を要すると予測されます。
町道32号線が合流する地点から新北山トンネルまでに、国道303号のバイパスを関係先に要請してはと考えますがいかがですか。
(1)現在、国において東海環状自動車道の大垣西インターチェンジから(仮称)大野・神戸インターチェンジまでの区間について、平成31年度の開通を目指し着実に事業を進めていただいています。また、国道417号の冠山峠道路も、昨年度より着工していただいた、岐阜県側の「(仮称)冠山峠1号トンネル」が去る7月31日に貫通し、本路線も着実に事業が進められているところです。
本町としては、東海環状自動車道の(仮称)大野・神戸インターチェンジを「東の玄関口」、国道303号の八草バイパスを「西の玄関口」、国道417号の冠山峠道路を「北の玄関口」と位置づけ、これらを結ぶ国道303号と国道417号は、本町の大動脈として、最重要路線であると考えています。
国道303号のバイパス機能を有し、(仮称)大野・神戸インターチェンジへのアクセス道路となる、「都市計画道路 大野揖斐川線」の整備については、現在、大野町の境付近から三輪北新田までの、概ねの区間において、県で事業化され、着実に事業が進められているところです。
七間町の工事地点から終点の房島七ヶ井北までの区間についても、現在の事業化区間の目途が立った段階で、連続して道路整備を実施して頂けるよう、県での事業化を要望していきたいと考えています。
(2)その次の段階として、本都市計画道路の終点から西に向かってイビデンの前を通る「ふるさと農道」を経由し、国道303号との合流点までの区間と、その合流点から、城山の下を貫通し、新北山トンネルまでの区間についても、国道303号のバイパス機能を有する新たな都市計画道路として位置づけ、順次進めていきたいと考えています。
また、その先の国道417号沿線も、現在、県において平成30年度中の供用開始を目指し、「横山鶴見バイパス」工事が着実に進められているところです。
しかし、冠山峠道路までの国道417号は、線形不良区間の解消や法面対策など、まだまだ課題が多い路線です。
つきましては「都市計画道路 大野揖斐川線」や「国道303号のバイパス」、「国道417号の道路改良」などを順次進めていきたいと考えていますので、今後も引き続き県に要望していきます。
6月議会で災害が起きたときの人材確保について質問をさせていただき、災害復旧に向けて相当の準備が整っていることに安心しましたが、その矢先、北九州や全国各地で数十年に一度の災害が起きるとした「大雨特別警報」が出された大災害が発生し、その報道に釘づけとなりました。
最近の気象は、今までの想定外が通常となり、改めて大雨に伴う土砂災害の恐ろしさを知らされました。
揖斐川町では、過去に幾度も川の氾濫や土砂崩落が起きていますが、気象を急変させる山岳や琵琶湖に近い地形から、時間雨量100ミリの大雨が降る確率は非常に高く、報道で見た広島の土砂災害、今回の北九州の災害と同様の災害が起きることを心しておくべきだと思います。
災害対処には、「自助」・「共助」・「公助」の三助があると教えられていますが、報道を見るかぎり、災害に直面すると、それぞれの力が及ばないことがわかりました。そして被害を最小限で食い止めるには、平常時における「公助活動」の積み重ねにあるとも受けとめました。
「公助」は災害発生時の活動は当然ですが、平常時に住民の皆さんと膝を突き合わせて、避難経路・避難先、それを知らせる広報の確認、そして土砂崩落危険箇所や自分の集落が孤立することの認識など、大雨・地震による危険箇所について話し合っておくことが大切で、それが災害に直面した時、咄嗟の判断に繋がることを認識しておきたいものです。平常時の「公助活動」の大切さを痛感しています。
ついては次の事をお尋ねします。
(1)現行、平常時に避難や危険箇所などの確認方法として、どのように意見交換や話し合いの場が持たれていますか。また、広い町ですが防災情報の収集についてどのような方法が設定されていますか。
(2)現行、揖斐川町の消防・防災等の業務は「総務課危機管理係」が担当し、他の業務と兼務で処理・対応が行なわれています。
平常時の「公助活動」で町域すべてを知り、住民の生命と財産を守るには膨大な業務があり、数名の専門職を要すると認識します。面積が広く土砂災害を危惧する大部分の県内の市町村は、独立した防災担当課を配置しています。
揖斐川町は803平方キロメートルと広く、その9割は山岳で、土砂崩落による堰き止めダムの恐れある地域、孤立すると指摘がされいる38の集落、降雨量によっては広範囲な市街地の浸水も予測されるなど、事前把握を必要とする危険箇所は想定を越え、事務量も膨大となります。日頃、多くの住民の方々から防災担当部署がわからないとの声もでています。
数名の専門職による「防災担当課」を配置し、住民の生命と財産をしっかりと守る体制を要請します。
(1)大雨・地震による危険箇所について皆さんとお話することは、とても大切なことだと考えており、自助・共助・公助の中の共助による自主防災組織をしっかり育成することが重要だと考えています。
自主防災組織は、地区で消火、救出、救護、情報、避難対策、給水などの役割分担を決め、平時はもとより災害時に活動していただく組織であり、町としても区の実情にあった組織をと、昨年度より代表区長会を通して強くお願いしています。
これまでに地震、洪水、土砂災害の各ハザードマップを住民の皆さんに配布し、避難場所や日頃の備え、避難に関する注意点などをお伝えしています。
町としてもインターネットでの情報収集方法の周知、自主防災組織活動への助言等、組織育成の啓発について積極的に関わっています。
防災情報の収集については、越美山系砂防事務所、木曽川上流河川事務所のライブカメラ映像等による河川情報および気象庁の土砂災害警戒判定メッシュ情報、大雨警報(浸水害)危険度分布、洪水警報の危険度分布、岐阜県総合防災ポータルを活用し、より細かい情報を収集しています。
土砂災害発生基準となる土中水分量は、土砂災害危険度判定図を活用し情報を読み取っています。この情報については、研修を通じて解析できる職員を養成していきます。
また、岐阜県や岐阜地方気象台とは電話等で随時連絡を取り、双方の情報を共有し、町として総合的に判断しています。
(2)揖斐川町では危機管理監を配置し、総務課に防災担当の危機管理係を設置し、連絡調整と調査をしっかり踏まえていくため、地域防災計画に基づいた職員の警戒態勢をとっています。災害警戒班を本庁および各振興事務所で編成しており、非常時や気象警報発令時には出動し、さまざまな調整や調査を行っています。危険が予想される場合や災害規模に応じ、警戒班は第1次、第2次、第3次体制へと移行していきます。
越美山系砂防事務所からは、現地情報連絡員として、揖斐川町へ派遣され、国との連絡調整に当たっていただくことになっており、関係機関との協力も万全を期しています。
このような体制を整えていますので、現段階では現在の体制で、住民の安全・安心に応えられるよう対応していきたいと考えています。
最近、日本国内各地で台風による豪雨、地震等の災害が相次いでいます。南海トラフ大地震など、いつ起こるかわからない状況下に置かれていて、揖斐川町としても8月に防災訓練を行ったばかりであります。
災害発生時には、その初期段階および避難所において飲料を確保することが重要であります。
災害発生後に電気と水道の確保が必要となり、特にお湯が無料で提供され、赤ちゃんの粉ミルクの調乳やアルファ米の調理、また、お湯があれば調理できるラーメン等大きなメリットになります。
災害支援型自動販売機というものがあります。自販機メーカーと災害支援協定が必要になりますが、本町も災害対応型紙カップ式自販機の設置および災害協定の締結を検討そして導入されてはいかがでしょうか。
揖斐川町地域防災計画で指定避難所として指定されている施設として、健康広場や小中学校、公民館等18施設を定めており、このうち自動販売機の設置台数は8台です。
災害対応型自動販売機は、「緊急時解放備蓄型自販機」として役場に1台、藤橋道の駅に1台設置されています。
災害時の飲料水の確保については重要であり、ライフラインの被災等で断水した場合は、揖斐郡消防組合に給水車が1台配備されており、町も消防タンク車を保有していますので、災害時には給水用として利用し、飲料水用の給水ポリタンクとともに飲料水を確保できる体制を整えています。また、健康広場や小中学校等に防災備蓄倉庫を設置しており、保存米、粉ミルク用の水を1.5リットルペットボトルで2766本備蓄しています。食料品等は、災害時における相互応援に関する協定を滋賀県長浜市、北海道芽室町、岐阜県美濃市、和歌山県那智勝浦町、いび川農業協同組合と締結していますので、被災された方への食料品等の提供ができるよう努めています。
生活必需物資は、株式会社ユタカファーマシーと、育児用品、医薬品、その他生活救援に必要な物資の供給に関する協定を締結しています。
町としても、災害対応型自動販売機の設置は、緊急時の飲料水の提供や防災意識の普及・向上、防災に関する情報提供方法の多様化等の観点から、有効なものであると考えています。ただし災害対応型自動販売機の設置は、事業者との協議が必要であり、施設の利用状況を調査しながら、事業者に対し、導入・促進を積極的に要望していきたいと考えます。
町としては、災害時の飲料水をはじめ、生活救援対策等に必要な物資の確保について、あらゆる手段で対応していきたいと考えています。
熊本地震では220名ほどの方がお亡くなりになり、多くの方が負傷されましたが、お亡くなりになった方のうち、地震等で倒壊した家屋の下敷きになるなどしてお亡くなりなった、いわゆる地震での直接死の方は50名ほどです。残りの170名以上の方は震災関連死ということで避難した後に、避難所等で精神的、肉体的疲労や持病の悪化などで体調を崩されたり、車での避難生活でエコノミークラス症候群などを発症してお亡くなりになった方々です。住民の命を守るうえで、避難所の在り方が非常に大事であることが伺えます。
このため岐阜県では、本年3月に市町村における避難所運営マニュアルの策定を推進するため、「岐阜県避難所運営ガイドライン」を改訂しました。また、県のガイドライン改訂を受け、揖斐川町でも避難所運営マニュアルの策定がなされていると聞いています。
しかし、マニュアルがあるから大丈夫というわけにはいきません。マニュアルに沿って実際に現場で訓練を行い、災害発生時に少しでも混乱なくスムーズな避難所の設置や運営ができるようにしておく必要があります。
揖斐川町では、総合防災訓練の中で避難所設置等の訓練は実施されていますが、設置後の運営などの本格的な訓練は行われていません。避難所マニュアルの策定を機に、是非、自主防災組織などの地域の皆さんと共に避難所の設置、運営に係る防災訓練を行い、万一の災害に備えるべきと考えますが、町の考えをお尋ねします。
平成23年の東日本大震災、平成28年の熊本地震の発生後には、多くの方が避難所での生活を余儀なくされました。避難される方、お一人お一人の事情が違うことや、肉体的・精神的疲労により体調を崩される方が数多くみえたことは、私がお話しするまでもございません。
こうした中で岐阜県の指導のもと、平成29年3月に揖斐川町でも避難所運営マニュアルを策定しました。このマニュアルは、避難所運営の流れ、運営のチェックリスト等、発災直後から長期滞在に至るまでの基礎的な運営方法が記載してあります。
常々、私は訓練のための訓練ではいけないと職員に話をしており、防災訓練もより実践的な訓練を行うよう指示しています。
先日の8月27日に実施した「揖斐川町総合防災訓練」では、町民の皆さんが自助・共助訓練をはじめとして、関係機関の訓練を、実践さながらに行っていただき、住民の防災意識が高まったものと思っています。
昨年度の総合防災訓練では、揖斐小学校体育館で避難所開設訓練を実施しました。また、揖斐川町社会福祉協議会と災害ボランティアセンターの設置等に関する基本協定に基づき、災害ボランティアの活動支援事業として、災害ボランティア研修で「避難所研修」を平成25年度に開催しています。更に職員に対しては、ロールプレイング方式の防災訓練演習を、本年度、総合防災訓練とは別に実施する予定です。このほか、避難所運営マニュアルに基づく避難所開設訓練を、次回の総合防災訓練に盛り込むよう指示したところです。
実践なき訓練では、万一の災害時に備えることはできないと考えています。
今後も、地域住民の皆さんとともに、より実践的な訓練を実施していきたいと考えています。
東日本大震災では 津波被害のほか、東北や関東地方でさまざまな施設の天井や壁、窓ガラスが落下するなどの被害が出ました。
例えば学校施設は、災害時には避難所となりますが、これまでの学校施設の耐震化が主に建物本体、いわゆる構造体の耐震化に主眼が置かれ、非構造部分である天井、ガラス窓、照明等の耐震化はあまり重視されていませんでしたが、東日本大震災以降、非構造部材の重要性が認識され、この部分での耐震化が近年特に求められています。
揖斐川町においても、学校をはじめとする公共施設の耐震化は早くから進められていますが、施設の非構造部材、いわゆる天井や内壁、外壁、窓ガラス、照明器具等の耐震化についても一層推進する必要があります。
有事の際、町民の皆さんが避難所として利用されるさまざまな公共施設の構造部分はもちろん、非構造部分も含めた耐震化を、財政面も含め一度に整備はできませんので、年次計画の中で、いつ来るかわからない地震災害に対してスピード感をもって推進していただきたいと考えますが、町としての考えをお伺いします。
平成23年3月の東日本大震災以降、建物の構造体の耐震化だけでなく、天井材、照明器具、外壁などの非構造部材の耐震化について問題視され、文部科学省や国土交通省は、対策を早急に講ずるべきものとして特に天井材の落下防止対策を挙げています。
こうした中、町では、平成25年8月付けの文部科学省の通知に基づき、学校施設の点検調査を実施し、平成27年度に、早期に対策が必要とされる春日小学校の屋内運動場吊り天井の解消を行っています。
また、建築基準法も改正され、平成26年4月から新しく建てられるものは適用されるようになりました。
それ以外の建物については、改修の義務はございませんが、内装・外装・照明器具の耐震化や飛散防止フィルム貼り付けなどは、町民の皆さんが避難所として利用される公共施設について、必要なことと認識しています。
町では、住民の安心・安全に応えられるよう、まずは、改正された建築基準法に基づき、避難所として使用される施設から、非構造部材の耐震化も合わせて改修を行うよう計画しています。
障がいのある方々が地域で安心して、自立して暮らしていけるようにするためには、グループホームなど住まいの確保だけでなく、日常生活を支援するさまざまな仕組みの充実が必要であります。
(1)中でも、障がいのある方々が自分で働いた収入で自らの生計を立てることや、社会の中で役割を担うことによる生きがいの充足、自己実現ができるよう、就労面での支援の強化が大変重要です。
揖斐川町の今年4月1日現在の障がい者数は、1414人で、そのうち18歳から60歳までの就業人口は、343人です。
揖斐川町には、障がい者支援療養施設の西濃サンホームがあり、通所が8人、入所が59人です。平成21年4月に揖斐特別支援学校が設立され、現在、小学生17人、中学生34人、高校生51人が学んでいます。開校以来69人が高等部を卒業し、一般企業に就職した人が29人、障がい福祉サービス利用の就労移行支援事業所に1人、就労継続支援A型事業所に9人、就労継続支援B型事業所に10人、生活介護事業所に20人が就労しています。そのうち町内では、竹中電子工業やオクダ工業、岐阜中発、三宝化学工業などの一般企業にも就職しています。一般企業が障がいのある方々の雇用に積極的に取り組まなければならないことは言うまでもありません。民間企業の法定雇用率は2.0パーセントで、平成28年6月の岐阜県全体の実雇用率は、1.95パーセント、平成29年8月現在の揖斐川町の実雇用率は、1.14パーセントで未達成となっています。
揖斐川町内の民間企業への法定雇用率達成への働きかけは、今後いかにされていきますかお聞かせください。
(2)一般企業への就職が困難であったり離職後の再就職が難しかったりする障がいのある方々に、事業所内で生産活動を通じ、知識と能力の向上に必要な訓練を提供する就労継続支援事業があります。この事業には、A型とB型があり、A型は利用者と雇用契約を結び、原則として最低賃金を保障します。B型は雇用契約を結ばず、工賃は、平成26年度の全国平均で月額約1万4838円です。工賃の低さはB型事業所が抱える大きな課題です。
A型は、平成29年8月現在、県内に122事業所ありますが、揖斐川町にはありません。B型は、県内に175事業所あり、揖斐川町には1か所で、平成27年度の平均工賃は、月額1万3166円で全国43位です。
町内の障がい者雇用施設として、ハートピア谷汲の杜と福祉作業所いずみがあります。私も月2回ほど、いずみの所生とふれあいホーム宿泊訓練に参加し、買い物、調理、入浴などを一緒に行っています。こちらでは56人の方々が、パン・天然石けんの製造販売、もみ殻燻炭、BDF製造や自動車部品の仕分け作業などを行っていますが、月額賃金は7~8000円でほとんどが昼食代で消えてしまうとのことです。さまざまな外部受託工賃のほとんどは1作業当たり0.5円程度で非常に厳しい状況です。
よい商品を作って、多くの人に手に取ってもらい、喜んで買ってもらいたいと考えてみえますが、B型の多くは小規模な事業所で、少ない運営費から商品開発やパッケージング、販路開拓に投資するのは容易ではありません。
結果、受託業務の多くは単価が低く、受注先の経営状況や景気動向の影響を受け受注量が安定しない。マーケティングに基づく専門性の高い職業能力を持ち、利用者に技術的指導ができる人材が不足している。企業と接点を持つ機会が不足しており、新たな受注機会が確保できない。専用の販売スペースを確保できる事業所が少なく、消費者が購入できる機会や小売店などからの作業発注の機会が限定されているなどの課題が浮き彫りになってきました。
障がい者が地域で自立した生活を営むための環境づくりを促進するため、就労継続支援事業をより充実させるべきだと考えます。そのために、事業所と地域や企業、事業所間のネットワークの構築を支援していくとともに、事業所の取組みに対する一層の協力が必要です。これに対しての具体的な方針についてお聞かせください。
(3)いずみやハートピアの作業の中で利益率が良いのは天然石けん事業、BDF事業、もみ殻燻炭事業です。原価率が低く売れば売るほど利益が上がります。
天然石けん事業は、昨年度46万円の売り上げがありました。平成5年ごろから廃食油を使った天然石けん作りが始まり、当時からNPO法人いびがわミズみずエコステーションと連携し、てんぷら油の回収やイベントなどでの販売、また景品として活用されてきました。最近では、障がい者優先調達推進法に基づき、揖斐県事務所では、選挙や交通安全啓発に天然石けんを購入していただいています。
また、揖斐川町においてもエコバッグの作成委託やイベントなどで天然石けんを購入していますが、さらに増やしていただけないでしょうか。これが障がい者支援につながると考えますがいかがでしょうか。
(4)BDF事業は、いずみで年間35万円の自家消費がありました。BDFは、バイオディーゼルフエル、いわゆる軽油に替わる代替燃料で天ぷら油から製造できます。ディーゼル車ならそのまま走らせることができます。京都市では、BDFでパッカー車を走らせています。新たなエネルギーの活用を考えてはいかがでしょうか。
(5)複数の障がい者グループホーム案内を見ても親亡き後、障がいのある方々がグループホームなどで生活するためには、食費や入所費用、消耗品などで月10万円程度は必要となるようです。
町内には、サンライズ谷汲の杜と今年オープンしたサンライズ谷汲深坂の杜の2つのグループホームがあり、近隣ホームより家賃設定が安く、障がい者年金と工賃で生活できる形になっていますが、平均的なグループホームは、障害基礎年金2級の方で年金額が月額約6万5000円であり、あと3万5000円確保しなければなりません。工賃月額を増やすことが必要です。つまり、障がいのある方は社会人になってから貧困に悩む実態があり、障がいのある方々や保護者の方々から、「これでは生活していけない」などの切実な不安の声を聞きいています。
今後、グループホームを行政として設立していくのか、民間が設立するのを支援していくのか方向性をお聞かせください。
(1)法定雇用率達成への働きかけは、相談支援事業者、福祉関係団体、施設サービス事業者などの皆さんと、行政関係者で組織する「障がい者自立支援協議会」で検討するなど、地域の障がい福祉関係者ネットワークを有効活用しながら実施していくことが必要です。この協議会は、障がい福祉部会と、障がい児福祉部会の2部会を今年度からスタートさせ、体制の充実を図り、それぞれの分野の活動を行っています。
法定雇用率達成に向けては、「障がい者自立支援協議会」の障がい福祉部会と連携し、ハローワークとも十分協議しながら、なお一層、町内企業等への働きかけを行っていきたいと思います。
(2)現在、町内にあります福祉作業所「いずみ」は、雇用契約を結ばないB型事業所で、雇用契約を結ぶA型事業所にステップアップしていただくことが理想です。しかしながら、それぞれの方で障がいの状態に差があり、就労能力も差が認められるため、ステップアップについては、個人に無理のないよう慎重に取り組まなければいけないと考えます。
また、B型の利用者は集団で作業を行っているため、工賃を上げるには全体の就労水準を高める必要もあります。
現在「いずみ」では、利用者の状態を見ながら指定管理者側で業務が選択されていると理解しており、その裁量の中でより良い人材の確保、業務の選択をお願いできると考えています。
(3)昨年も同様の質問がありましたが、平成28年度については、29万1180円の支払い実績があり、町としては、今年度も引き続き、できる限り購入するよう努めています。
(4)バイオディーゼル燃料は、廃食油をリサイクルするため、環境負荷の低い燃料と考えられます。しかし、品質が変化しやすい。冬期に燃料が詰まりやすい。メーカーの保証が受けられなくなる等の課題もあると聞いています。
現在保有のディーゼルエンジンの公用車に安定的な燃料の供給、品質の保証等といった課題への対応の可否や町の公用車更新時には、低公害・低燃費等、環境に配慮した車両の導入を考えているため、多面的な視点から検討していきたいと考えています。
(5)県内を見ても、市町村立のグループホームは岐阜市のみであり、現在の所、町での設置は考えておりません。施設整備に対する、国・県の補助制度がありますので、事業者の方は、この制度を活用していただくことになります。
町としましては、他市町、既存施設との兼ね合いや、財政的な観点から、現時点では支援する予定はありません。
少子高齢化が急速に進む揖斐川町では、さまざまな少子化、高齢化施策が推進されていますが、急激に改善されるものではありません。
町全体の高齢化率(65歳以上)は、平成29年3月31日現在で36.3パーセント(7905人)です。60歳以上で見ると (9273人) 42.5パーセントに達します。合併前の旧5村の地域別では、谷汲地域を除き62パーセントが最高で50パーセント前後の高齢化率です。60歳以上だと全ての地域が5ポイント以上アップします。
このような状況の中で揖斐川町における各地域の老人クラブ(単位クラブ)の会員数は減少しています。
平成25年度に48単位クラブ4040人の会員数でしたが、平成29年度では38単位クラブ2965人で、5年間で1075人の会員数が減少しました。単位クラブが消滅したため会員数が大きく減少しています。
合併時から各町村の老人クラブの入会年齢が一律ではありません。60歳での入会、65歳からの入会、任意での入会とさまざまであり、地域ごとで年齢層に大きくばらつきがあります。
単位クラブの消滅理由にはさまざまな要因が有りますが、一番の要因は役員のなり手がいないとの声が聞かれます。役員は事務的な仕事が多く、特に年度始めの単位クラブ年間計画書・予算書の作成等、慣れない仕事を敬遠する人が多いためです。また、最近は社会問題の一つである、定年延長の関係で、60歳で入会しても老人クラブの活動に出席できない会員も多くあります。
単位クラブが消滅した地域の元老人クラブの会員には、揖斐川町老人クラブ連合会・単位クラブ主催のさまざまな活動(スポーツ交流会・文化交流会・親睦会)等に声がかからないのです。
健康年齢を継続して維持するためには、スポーツ交流会・文化交流会・親睦会等で身体を使い、頭を使い、お互いに顔見て話し合う、老人クラブの活動はエネルギー源であると言っても過言ではありません。
平成27年4月の介護保険法の改正で、新たな介護予防・日常支援総合事業が始まりました。「新地域支援事業」に向けての行動提案では市区町村老人クラブ連合に期待する事業として「見守り・安否確認」「通いの場づくり」「生活支援活動」「健康づくり・介護予防活動」等4つに分類し活動提案が紹介されています。揖斐川町においても町老人クラブ連連合会が『新地域支援事業』に参画して高齢者が相互に支え合う取組みが一層活発になると思います。
(1)揖斐川町老人クラブに対する考え方
(2)町老連・単位クラブに事務的支援
(3)新地域支援事業に向けた行動型提案の今後の取組み
以上よろしくお願いします。
(1)老人クラブの単位クラブ数、会員数ともに減少していますが、65歳以上の人口が減少していないので、入会される方が、少なくなってきたと言えます。これは、昔に比べ現役で活躍する方が増えたことや、自分の趣味などを楽しむ方が増えたからだと推測します。
高齢者の活躍の場が増えること、また、それぞれが趣味を持ち生きがいとすることは、元気で暮らすために大切なことだと考えます。
以前は、高齢者の活動の一端として、老人クラブの活動が大きな位置を占めていたと思いますが、価値観の多様化とともに、老人クラブ活動に意識が向かなくなっている状況だと思います。老人クラブへの入会はあくまで任意であり、強制するものではないということはご承知のことと思います。
入会年齢についても単位クラブごとに違うというご指摘ですが、これも単位クラブでよく話し合っていただければと思います。
町としては、老人クラブ連合会会則にあるように、「会員の福祉と親睦を図り、明るいまちづくりに寄与する」ことを目指していただき、地域コミュニティとして、今後も活発な活動を大いに期待しています。
(2)会計書類などの作成事務は単位クラブの役員の方が担当されていると思います。事務に堪能な方も、そうでない方もいらっしゃる中で、書類作成の負担感は確かにあると思います。
しかし事務については、他の団体も同様であり、それぞれに書類の作成を行っていただいています。
困難なことがあれば、何時でも担当課が相談に応じさせていただきます。また、書類の簡素化に向けた検討も行っていきたいと考えています。
(3)「見守り・安否確認」「通いの場づくり」「生活支援活動」「健康づくり・介護予防活動」については、まさしく自助・共助に繋がることであり、是非とも進めていただきたい事です。
老人クラブで、地域に貢献できる方策を練っていただき、実践していただくことが、第2次総合計画の「自然健幸のまち いびがわ」の実現に大きな力になることと思いますので、積極的な推進を期待しています。
主に小中学校PTA活動で行なわれている資源回収(リサイクル活動)の取扱量は町内全校合計で平成27年度が555トン、28年度は471トンと84トンも減少しています。 町全体での資源回収の取扱量(資源ゴミのみ)は、平成28年度で対前年度比158トンも減少しています。大きな要因は町内各地に業者が直接回収ステーションを設置したためと考えられます。
(1)町や学校の資源回収に持込まれるのが当然と思われるリサイクル品を、業者が独自に回収に乗り出している事に対し町はどのように考えていますか。
(2) PTA会計の収入の一部となるリサイクル活動収益(売却収入と町からの補助金:資源1キログラムあたり3円)は取扱量に比例し減少しています。平成27年度の町内全小中学校PTAリサイクル活動収益は合計514万円でしたが、平成28年度は430万円と84万円も減少しました。このままではPTA諸行事の遂行に支障をきたす懸念もあり、子ども達のリサイクル活動に対する意欲の低下にも繋がりかねません。この際、町補助金を少しでも引上げてPTA活動を支援すべきではないでしょうか。
資源の集団回収事業は、ごみの減量化、資源化活動の自主的なリサイクル活動であり、一人ひとりが物を大切にする心を持ち、地域でリサイクルの輪を広げていただくことが目的です。
(1)民間事業者が、専ら再生利用の目的となる産業廃棄物または一般廃棄物(古紙やくず鉄、空きビン類、布きれ等)を回収するため、ステーションを設置していることについて、県にも確認しており、廃棄物の処理および清掃に関する法律において特段支障はありませんし、住民の方が利用しやすい、資源ごみのリサイクルとして、有効な方法のひとつであると考えています。ステーション設置は、事業として業者が行っているものであり、これには町からの補助金の支払いはありません。
(2)PTAに交付している揖斐川町の集団回収事業費補助金は、各家庭等から排出される一般廃棄物を資源として有効利用を図るため、回収活動を行う団体等に対して、ごみ減量に対する住民意識の促進を図るため、予算の範囲内で補助を行っているものであり、補助をする事が目的ではございません。
ごみの減量化やリサイクルについては、今後も引き続き町全体の取組みとして推進していきます。
私は昨年の9月議会でも同じタイトルで質問させて頂きましたが、今年度になっても学童保育(留守家庭児童教室)に対する町の対応は、あまり変わっていないように見えますので改めて質問します。
前回、備品や遊具の予算的配慮をお願いしましたが、本年度予算に反映されておらず、相変わらず現場からはカバンを置く棚の不足や、靴箱が無い教室、人数の割には小さすぎる冷蔵庫等々の不満の声が聞こえてきます。平成27年度から子育て支援事業の重点施策として、学童保育の対象を小学校4年生までから6年生までに拡充されたことは評価しますが、それに伴う受入れ体制をどのように配慮して来られたかお尋ねします。
同じく、受入れ人数に対する教室の広さの問題も各教室で聞かれます。 特に夏休みの間は近年多数の児童が利用する傾向が見られ、今までどおりのスペースでは受入れに限界が近づいているように思います。
ちなみに、北方小の児童教室は定員25名に対し今年の夏休みは51名が利用しており全校生徒の3分の1を超えています。 学童保育として使用する多目的室は満杯の状態で、小学校のプールはお盆の時期以降は使えないため、以前から隣の旧北方幼児園の遊戯室や園庭・プールの使用を望む声がありました。前回質問時は、幼児園園舎は土砂災害警戒区域内との説明が有りましたが、その後に急傾斜地崩壊対策事業が実施されており、何よりも「0円宅地事業」が同じ区域内ではじめられ、場所の安全性、利便性は町も十分認識されていると思います。遊戯室の耐震性も数字的には若干の補強で済むと思われますので、現状を理解して園舎の再利用を検討していただきたいと思いますがいかがですか。
留守家庭児童教室の受入体制を、どのように配慮してきたかとのことですが、教室運営につきましては、児童に見合う支援員の配置、備品や消耗品については、各教室の支援員に要望を確認し、不足するものは必要に応じ購入しています。
今年度の留守家庭児童教室全体では、平日利用は97名、夏休み利用は266名、昨年度は、平日利用は106名、夏休み利用は270名と、それぞれ減少していますが、支援員は昨年以上に配置しています。また、「棚や靴箱、小さすぎる冷蔵庫等々」との声が聞こえてくるとのことですが、私どもが確認しているところでは、そのような不満や要望は聞こえてきていません。
各留守家庭児童教室のプールについても、夏休みの学校プールを利用しており、教室独自のプールを用意している所はありませんし、旧きたがた幼児園のプールや遊戯室の使用についても、要望としては聞いていません。
受け入れ人数については、北方小学校の平日利用者定員は25名ですが、教室の広さは、国が示す指針では72名の保育が可能であり、スペース的には問題ないと考えています。
旧きたがた幼児園舎の再利用については、当地区は、急傾斜地崩壊対策工事が完了し以前に比べ安全性は増しています。
0円宅地事業用地は、土砂災害警戒区域には指定されていますが、急傾斜地崩壊被害想定区域ではありません。土地利用や建物の建築に関して特に制限がなく、事前にその説明を行ったうえで申請を受付しますので問題はないと考えています。
旧きたがた幼児園、北方小学校については、急傾斜地崩壊被害想定区域と土砂災害警戒区域であり、児童の安全を考えると、昭和49年建築で老朽化した木造平屋建ての旧きたがた幼児園より、鉄筋コンクリート製で耐震補強も完了している北方小学校のほうが、より安全であると考えています。
現在、揖斐川町には揖斐川、谷汲、坂内の計3つの町立図書館があります。建替え予定の揖斐川図書館(昭和55年築)は、すでに地域交流センター横に用地は確保され、今年度予算には建設基本設計料が計上されています。
(1)新しい図書館はいつ頃着工し、規模と建設費はどのくらいを見込んでいますか。その財源は何を予定していますか。
館内の設備仕様について町民の希望をどのように取り入れますか。また、現在の図書館の建物はどうする予定ですか。
(2)揖斐川図書館の現在の蔵書数は、約11万冊と聞いていますが、需要の多い雑誌コーナー(週・月刊誌等)はわずか45種類しか置かれていません。一方、大野町図書館は、蔵書数約12万5千冊、雑誌約90種類で、池田町図書館は、蔵書数約20万冊、雑誌約130種類です。このため 当町の住民でも大野や池田の図書館へ出かけることが多いとの話も聞きます。実際、年間入館者数は、平成26年度、当町3図書館合計で4万2000人に対し、大野町や池田町は各々約3倍の12万人でした。私は建物の建て替えより中身の充実が大切であると訴えてきましたが、揖斐川図書館が新しく建て替えられた場合、中身の充実をどのように図る予定ですか。また、当町全体で3つもある図書館をどのような位置付けで運営して行く予定ですか。
(1)新図書館の整備については、本年度、基本設計業務を行い、施設の規模やその設備、それにかかる概算の建設費を算出します。この基本設計に基づき、次年度以降、実施設計を行い、建築工事を進めるとともに、有効な補助金等財源確保について国や県に相談を行っていきます。
現在までに、図書館を多く利用し、サークル活動を行っている団体や図書館に身近な方々などと、新図書館への意見交換会を行っており、議会も含め、さまざまな方々のご意見も伺いながら進めていきます。
現在の図書館については、耐震不安や老朽化の進んだ施設であり、有効利用をしていただける団体があれば、施設の状況を踏まえ検討していきます。
(2)これまで、揖斐川図書館では、幼児園や学校と連携を図り青少年育成のための絵本や児童図書の充実、また、住民の生活を豊かにする取組みとして教養を身に着けたり暮らしに役立てたりする本の充実、そして郷土資料、専門図書や特定の分野について網羅された辞典や図鑑の充実を図ってきました。
現在、図書館は中高年の利用も多く多様化が進み、現図書館の蔵書スペースの手狭さが解消されれば、一般図書・児童図書・専門雑誌などの更なる充実が図られます。
町としては『だれもが学び集う暮らしの中の図書館』を基本理念とし、「子どもたちの心を豊かに育む図書館」・「知の窓口として開かれた図書館」・「町の交流の場、町民の活動を支える図書館」・「揖斐川町の現在と歴史を伝える図書館」等を基本方針に、これまでの取組みを継承しながら図書館の充実を進めていきます。
谷汲・坂内図書館については、複合施設であり、生涯学習の振興を図る上でも、住民の身近にあり学習活動を支援する役割も果たしている重要な施設であると考えています。
揖斐川町揖斐川町議会議会事務局
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